2024年1月28日日曜日

鍵盤で操作するチター

 ピアノは共鳴箱に複数の弦を張ったチターだ

ピアノを弾くスティービーワンダー
ピアノを弾くスティービーワンダー

クラビネット clavinet
クラビネットを弾くスティービーワンダー
クラビネットは、クラビコードを電気ピックアップを介してアンプで音を増幅するようにした楽器。なので、電子楽器ではなく、電気楽器だ。

2023年9月7日木曜日

とんこり

 

とんこり アイヌ民族の楽器
とんこり

とんこりは、アイヌの伝統的な弦楽器。
斜めに立てて、両手で弦をはじく。弦は5本が標準になっているようだが、伝統的には、3本、4本の楽器もあったようだ。



2023年7月10日月曜日

アフリカのハープ型弦楽器

African
stringed instruments

African stringed instruments

イナンガ Inanga /ムベト Mvet / クラル Krar
ニャティティ Nyatiti 
カメレ・ンゴニ / ドンソ・ンゴニ Donso Ngoni
ベガンナ Beganna / アドゥング Adungu
プリュリ アーク Pluriarc / ボロン Bolon / コラ Kora

アフリカには、たくさんの弦楽器があります。ここに挙げたのは、ハープ型の弦楽器。

2023年4月8日土曜日

ビルマの竪琴

 サウン・ガウ

サウンガウ Saung gauk
サウンガウ Saung gauk

サウン・ガウは、ミャンマーに古くから伝わるハープ型の弦楽器。古代インドの楽器から影響を受けたと云われている。

膝の上に抱きかかえるようにして、右手で弦をはじく。左手は、弦を押さえてミュートを効かせながら音程を変える。

横置きで、棹がくるんと湾曲しているので、とても特徴的的な外観。湾曲した棹はアカシアの仲間の木の根っ子だそうだ。16本の弦は絹糸で棹に紐で留められている。
日本では「ビルマの竪琴」という名で通っている。

ビルマの竪琴とは、竹山道雄の第二次世界大戦でのビルマ(現在のミャンマー)を舞台とした小説で日本兵がモデルになっている。楽才のある日本人が竪琴を弾いている場面があるが、これがサウン・ガウだ。
映画化されたこともあり、日本ではサウン・ガウをビルマの竪琴と呼ぶことも多い。
もともと、宮廷で使われる高貴な楽器なので、日本人がこの楽器を弾きこなすというのは現実的ではないのだけれどね。
とはいえ、時代は変わり 現実には、ネット通販で購入できたりするんだね。

2023年3月5日日曜日

四角いピアノ

 小形にするため

四角い形にしたピアノ

その昔、ピアノといえば現在でいうグランドピアノ形で大きかった。
場所を取らないようにし、床面積を小さくするために考案されたのが、スクエアピアノ。

スクエアピアノ square piano
スクエアピアノ square piano
弦を斜めに張って、本体をぎゅぎゅっと縮めて四角くしたわけだ。これなら隅っこにも置ける。square とはいうけれど正方形ではなく実際には横長の長方形だ。
ドイツでは  テーブル型の鍵盤楽器(ピアノ)ということで、ターフェル・クラヴィア Tafelklavier と呼ばれていた。

さらに、床面積を小さくするのに作られたのがアップライトピアノで、家庭でもどんどん普及していった。残念ながら、1900年ごろからスクエアピアノは人気がなくなっていっちゃったんだね。

2023年2月25日土曜日

背が高い鍵盤楽器

似た形 

縦型で上下方向に弦を張っていて、弦の長さに対応して美麗な曲線を描いている。

この3種類の楽器は背が高く、似た形をしている。鍵盤を操作して弦を鳴らすのも同じ。

でも、「生まれ方」が違うんだね。

◆ 元はハープシコード

クラビツィテリウム clavicytherium
クラビツィテリウム clavicytherium
クラビツィテリウムは、ハープシコードを縦型にしたもの。ハープシコードは長い弦を張ってあるので縦型にするととても背が高くなる。
配置した時の床面積を小さくするために作られた。地震に注意しなければならないほどノッポだ。
縦型にしても、弦をひっかいて音を出す仕組みは同じ。

◆ 元はグランドピアノ

ジラフ ピアノ Giraffe Piano
ジラフ ピアノ Giraffe Piano

その昔、ピアノといえば、現在でいうグランドピアノだ。長い弦を床と平行になるようにはってある。
縦型にすれば、置き場所が小さくて済む。首が長いキリン(ジラフ)のようだということで、この名がついた。
19世にはいってから、家庭で使われるピアノとしてコンパクトな縦型のピアノがいろいろ考案されたという。


◆ 元はハープ

クラビ・ハープ Clavi Harp
クラビ・ハープ Clavi Harp
ハープを鍵盤で演奏できるようにした。
Clavi といのは鍵盤のこと。そのまんま、鍵盤付きハープというわけだ。
ハープの「鳴らせ方」を引き継いで弦をはじいて音を出すのはもちろんだが、面白い仕掛けも取り入れている。
その仕掛けは、弦長の真ん中を軽く押さえて1オクターブ高い音を出すカラクリ(いわゆるハーモニックス)が組み込まれているんだ。

残念ながら、これらのユニークな楽器は、現在では博物館なんかで展示される古楽器として扱われて存在になってしまった。


2023年1月10日火曜日

フェルメールの絵画

 ハープシコード

Johannes Vermeer / Het concert, The Concert
フェルメールの絵画『合奏 The Concert』
『合奏』は、オランダの画家ヨハネス・フェルメールの作品。1664年頃に描かれた油絵。

座ってハープシコードを弾く若い女性、背中を向けている男性はリュート、そして歌う女性が描かれている。

harpsichordは 英語。日本ではこの名前で呼ばれることが多いんだけれども、国ごとに(言語ごとに)違う名前がついている。
フェルメールはオランダの人なので、オランダ語ではなんていうんだろうと ちょっと調べてみた。オランダ語では klavecimbel...これはクラブシンボル(?)みたいな発音のようだ。


2022年11月15日火曜日

クラヴィコード

クラヴィコードを弾く婦人

ヘラルト・ドウのクラヴィコードを弾く婦人
A Woman Playing a Clavichord

このイラストは、オランダの画家 ヘラルト・ドウ (Gerard Dou, Gerrit Dou 1613年-1675年) の作品を参考に IROMBOOK が描きました。

女性が演奏している楽器はクラヴィコード (Clavichord)
クラヴィコードは、鍵盤を介して弦に金属ハンマー(タンジェントと呼ばれる)をぶつけることで音を出す。1400年頃から1800年頃に使われていた古い楽器だが、復刻された楽器もある。さらに、電気仕掛けにしたクラヴィネットというのがあって、スティービーワンダーも使っている。



2022年10月10日月曜日

「音楽の稽古」というタイトルの絵画

 ヴァージナル virginals

「音楽の稽古」は、ヨハネス・フェルメール作の油絵。

英語では "The Music Lesson" オランダ語では "De muziekles" で、直訳すれば「音楽の稽古」になるんだろうけど、なんか軽くて幼稚な感じだね。まあいいか。

ヨハネス・フェルメールの音楽の稽古
音楽の稽古をイラストに描きなおした

さて、女性が演奏しているのはヴァージナル。ヴァージナルは、弦をはじいて音を出す。鍵盤を押すことによって弦を弾く構造になっている。ハープシコードも同じ仕組みで音を出すが、ヴァージナルは長方形で横型。
小型なので、一般の家庭でも使われたようだ。
ちなみに、手前に描かれているチェロみたいな楽器は(おそらく)ヴィオラ・ダ・ガンバ。ヴィオラ・ダ・ガンバは、フェルメールの絵画にたびたび登場する。
(上のイラストは、原画写真をイラストに模写したものです)

The virginals is a keyboard instrument that produces sound by plucking strings.. It was popular in Europe during the late Renaissance and early Baroque periods.
The mechanism of the virginals is identical to the harpsichord's, in that its wire strings are plucked by plectra mounted in jacks. 
(The illustration above has been redrawn as a hand-drawn illustration based on the original photo.)


2022年9月16日金曜日

ハンガリーのツィター

 ツィテラ  Citera

シテラ citera ハンガリアン ツィター
ハンガリーのツィテラ citera

ヨーロッパにはツィターの仲間がたくさんある。

その昔、生まれたての弦楽器は木の箱に数本の弦を張ってあるだけだったのだろう。ただ数本の弦を鳴らすだけでは物足らず、フレットをつけて音階が出るようにしたり、音響効果を高めるために共鳴用の弦を増やしたり、また正確な音程を出すためにチューニング用のペグを改良したりした。だんだんと高度な音楽を奏でることができるようになっていく。

ハンガリーのツィテラ (citera) もそのひとつ。

ツィテラは3本組、または2本組の複弦でメロディを弾く。2コース用の指板には独特の配列でフレットが互い違いに並んでいる。2コース合わせる半音づつ区切られているのだけど、どのようなスケールで弾くのか、どんな指使いなのか・・・よくわかりません。後の弦は総て開放弦で、真ん中あたりにベース音が配置されている。

Hungarian zither 

The Citera is a European folk zither.
The citera has four or five main strings that are fretted plus a number of drone and incidental strings. 



2022年8月20日土曜日

タコ焼きに爪楊枝

 アフリカのボロン

東アフリカのボロン Bolon
座って演奏

ボロン (Bolon or M'Bolon) は、西アフリカ(ギニア、マリ、セネガル、ガンビアなど)で演奏されている弓形のハープ。

特に狩猟の儀式や戦いの前に、戦士の勇気を奮い立たせるために演奏されたという。
また、ジョラ族 (Diola,Jola)は、男声合唱の伴奏に使用したりもする。
(wikipediaより)

ボロンは、大きな瓢箪(ひょうたん)にヤギの皮をかぶせてあり、弓形に曲がったネックが突き刺さっている(ソースをかけたタコ焼きの様に見える)。弦は3本、または4本。

演奏する時、ミュージシャンは座り込んで音響BOXの瓢箪を脚の間に置く。弦をはじくだけでなくドラムを演奏するように音響BOXを叩くこともある。

ボロンの演奏 M’Bolon
立って演奏
また、ダンスを伴って演奏することもあり、その場合はストラップを付けて肩にぶら下げる。


2022年8月1日月曜日

チター属の弦楽器・ハープ属の弦楽器

chordophone
string instruments

zither-family

弦楽器 zither family
ツィターの仲間
弦が共鳴BOXの表面板に対して (ほぼ)平行に張られている。
弦が1本だけのものもあるが、一般的に複数の音階を鳴らすために、その数に応じて複数の弦が張られている。弦の長さを変えるためのフレットを備えているものもある。


harp-family

harp family
ハープの仲間
弦が本体から離れるように伸びている。そのため両側から(左右両手で)弦をはじくことができる。
一般的に弦の長さを変えて音高を変化させる構造になっていないが、新しい楽器では、演奏の途中でも弦の張り強さを変化させて複雑な音階を出せるようにしたものもある。




2022年7月6日水曜日

ラトビアの弦楽器

クアクレ kokle

クアクレ kokle


ヨーロッパでは多種多様のチターの仲間が存在する。
北欧バルト三国のひとつ ラトビア共和国 にはクアクレという弦楽器がある。
ラトビア人が大切にしてきた伝統的な音楽を伝える楽器で、人が亡くなった時に森から木を伐り出して製作し、その魂と対話するために奏でられたとも伝えられている。

Kokle is a Latvian plucked string instrument

音を出さない弦を指で触れて(ミュートして)、全体をかき鳴らす演奏方法もある。

Kokle is a Latvian plucked string instrument belonging to the Baltic zither family known as the Baltic psaltery along with Lithuanian kanklės, Estonian kannel, Finnish kantele, and Russian gusli.
クアクレ(Kokle)は、
ラトビアの撥弦楽器。バルト海のツィターの仲間。リトアニアのカンクレス、エストニアのカンネル、フィンランドのカンテレ、ロシアのグースリとともにバルト海のツィターとして知られている。
(以上は wikipedia を参照した)


2022年6月10日金曜日

ウクライナの弦楽器

 バンドゥーラ bandura

The bandura is a Ukrainian plucked string folk instrument.
バンドゥーラは、ウクライナの撥弦楽器。

バンドゥーラ bandura
バンドゥーラ

 弦と本体が平行になっているのでツィターとリュートの要素を組み合わた楽器という表現もあるが、演奏方法はハープの奏法といってよさそうだ。
 右手で高音のメロディー、左手はベース音。歌の伴奏としてよく使われる。
ネックがあるので、ギターなどのリュート属のように見えるが、バンドゥーラにはフレットがなくネックは長い弦を支える柱の役目。左手は弦を押さえるのではなく 低音弦をはじく。

 古くは、コブザという名前で呼ばれていて、リュート属の形をしていて弦の数は10本ほどだった。
 リュート型のコブザと ハープ型のバンドゥ―ラに枝分かれして発展していったようだ(現在でもコブザという名の古楽器は存在する)。
 弦は31本に増加し、次に56弦に増加しという具合に弦の数は増加していき、現代の「コンサートバンドゥーラ」は68本の弦を備えている。



2022年5月21日土曜日

大地を楽器にしてしまう

Tingotalango

ティンゴタランゴは 大地を音響箱に使った弦楽器だ。

tingotalango ティンゴタランゴ
ティンゴタランゴ

地面に穴を掘って、その上を薄い膜(皮、ブリキ板など)で覆う。近くに木の棒を弓形に立て、膜と棒の間に一本の弦を張ってある。1本弦のハープと呼んでもいいかな。

奏者は、楽器の大きさによるが、座り込んだり また立った姿勢で演奏する。 音を出すのは、指ではじいたり スティックで叩いたりする。地面の膜はドラムにもなるので両手で叩くこともある。



2022年4月3日日曜日

ワニの琴

 チャケー chakhe


ワニを象ったチャケー chakhe
ワニのチャケー
チャケーは、タイやカンボジアの楽器。
横長のチター型の弦楽器で、弦は3本。
普及しているチャケーはワニを模倣しているものの、こんなにワニワニしていない。



サウンガウ saung gauk


ワニ形のサウンガウ saung gauk
ワニのサウンガウ
サウンガウはミャンマーの楽器。竹山道雄の小説では「ビルマの竪琴」というタイトル名で登場する。
普及しているサウンガウは、舟の様な形をしている。ワニの形は特別バージョンだ。
ちなみに このワニ、アジアのワニなので ガビアル(Gharial)という口が細長い種類を模倣しているのかな。



2022年3月6日日曜日

華麗に装飾された竪琴

 ディタルハープ dital harp

ディタルハープ dital harp
ディタル ハープ


ディタルハープは、ヨーロッパの古い時代の楽器。古いといってもそんなに昔ではない。1800年ごろイギリスの音楽家(ギター教師だったらしい)が開発した弦楽器だ。華麗な装飾がされているが、その時代を象徴するデザインなのかもしれない。
 20本ほどの弦を張ってあり半音階を出すことができるレバーが裏側に付いている。その仕組みをディタル(dital)というのだと。台座がついていて、膝の上に立てて演奏する。

 ハープ・ギターともいわれているけど、指板上へ弦を指で押さえることはない。ディタルハープは、キタラとかリラの類、日本語でいうなら竪琴ということになる。右手も左手も弦をはじいて演奏する。
 また、ハープリュートと混同されることもある。ハープリュートはディタルハープととてもよく似た外観をしているが、その名の通り指板とフレットが組み込まれている。






2022年2月10日木曜日

インドネシア ガムランの ツィター

 チェレンプン celempung

インドネシアのガムラン音楽で使われる弦楽器。

チェレンプン celempung / シター siter
ガムラン音楽のチェレンプン

音響箱に複数の弦を張ってある。弦はペア(複弦)で張られていて、キョンキョンという音の響き。
主に銅鑼を代表とする金属打楽器で構成されている合奏の中で、この楽器の音は目立たないんじゃ...と思ったりするが、どうなんだろう。

ガムランでは「ペロッグ」「スレンドロ」とかいう独特の音階があって、その音階にそってチューニングされているんだそう...だけど、詳しくないのでこれ以上説明できません。
チェレンプンは、シター siter とも呼ばれているが、これはヨーロッパで古くから愛用されている ツィターzither から伝わった名称だろう。




2022年1月10日月曜日

マルハナバチという名の楽器

スウェディッシュ ヒュンメル

Swedish hummel

スウェディッシュ ヒュンメル Swedish hummel
ヨーロッパ北部には、音響箱に多数の弦を張った弦楽器が多種多様存在する。ドイツでは 映画「第三の男」で有名な チター zither があり、この形状の楽器を総称してチター属として分類することがある。

ヒュンメルは、スウェーデンでは1600年代後半には使われていたという。
フレットが配置された手前の弦でメロディを弾く。単純な調律で張られているので複雑な和音は得意ではない。
フレットが無い部分の弦は、共鳴させて響かせるための弦(ドローン弦)。
古い楽器なので現在ではほとんど使われていないが、楽器を復活させ一部の愛好家では演奏されている。
Swedish-hummel
12平均律のフレットを備え、弦の数を増やした
モダンなヒュンメル

ちなみに、この楽器の名前 hummel というのは、マルハナバチという蜂のこと。ドローン弦が響く音からきている。
マルハナバチは世界中に棲息するが、ヨーロッパでは特に身近な蜂で、牧草の主力の一つであるアカツメクサなどの花粉を運ぶ虫として、重視され、親近感が強いらしい。
ドイツには Hummelchen というバグパイプがあるが、これもやはり蜂の羽音から付けられた名前なんだろう。
さらに蛇足が続くが、デンマークには hummel という スポーツ用品メーカーがあり、これもマルハナバチの意味を持つ社名なんだね。


2021年12月6日月曜日

西アフリカのハープ

 プリュリアーク pluriarc

プリュリアーク pluriarc (アイロムブック)
 プリュリアークは 西アフリカで使われているハープ。
 マリやブルキナファソで愛用されているが、これらの国では多くの言語が存在するので、この楽器は現地の言葉で地域ごとにそれぞれの名前で呼ばれている。ただ、マリもブルキナファソもフランス語が公の言葉としているため、フランス語の pluri-arc として名前で紹介されている。
 pluri-arc は、「複数の弓(弧)」という意味で、名前の通り、グルリと曲がった棒が複数取り付けてある。この棒は木材や葦を使っている。一本一本の弦をそれぞれ一本一本の棒で支えているので弦の数と棒の数は同じだ。
 この構造では、弦の張力が安定せず、チューニングに苦労するだろうにと思われるが、事実チューニングはとても難儀らしい。
プリュリアーク pluriarc マリなど西アフリカのハープ。
本体ボディの形状も 弦の数も標準化されているわけではないので、地域ごとに大小様々なプリュリアークが存在する。
金属板に小さな金属リングをはめ込んだジングルを棒の先に取り付けて、パーカッション的なビビリ音を付加させるものもある。
The pluriarc is a stringed musical instrument of West Africa.
It has a hollow body and several curved, pliable necks made of reeds or tree branch.




2021年11月3日水曜日

インドネシアの円筒型ハープ

 ササンドゥ Sasando

インドネシアの ササンドゥ sasando (sasandu)
The sasando is a Indonesian bamboo harp.
ササンドは、インドネシアの弦楽器。ロテ島やティモール島などで使われている。
丸い竹筒(木製もあるようだ)に複数の弦を張り巡らせたハープ。この形の楽器はチターに属するという分類もあるが、ササンドは独特な形状なので どっちでもいいかも。
本体を包むように椰子の葉でできた音響板を取り付けてある。
演奏時は、膝の上や台の上に載せて、両手で筒を包み込むようにして両手で弦をはじく。
めでたい儀式の時にはかかせない楽器だという。


2021年10月3日日曜日

西アフリカのハープ

 ドンソ・ンゴニ
カメレ・ンゴニ

アフリカには「ンゴニ」と呼ばれる弦楽器がいろいろある。
ネックに弦を押し当てて弦長を変えるリュート形のンゴニもあるが、「ドンソ・ンゴニ」と「カメレ・ンゴニ」は大きな皮張り音響箱を取り付けたハープ形弦楽器。


ドンソ・ンゴニ Donso Ngoni
ドンソ・ンゴニ Donso Ngoni
ドンソ・ンゴニは、マリやギニアなどで使われてきたの伝統的な楽器。
"Donso"には、狩猟の意味があって、ハンターの儀式で武勇伝を語るための伴奏楽器として使われてきたようだ。



カメレ・ンゴニ Kamele Ngoni
カメレ・ンゴニ Kamele Ngoni
カメレ・ンゴニは、比較的新しくこれは新しく1960ごろ改良され作られたもの。
"Kamere"は 若者という意味があるらしい。英語では young man's harp という愛称もある。
弦はナイロンを使ったりチューニングには糸巻き機構を使っている。


2021年8月15日日曜日

エチオピアのリラ

 クラル krar

クラル krar
The Krar is a five-or-six stringed lyre from Ethiopia and Eritrea.

クラル(Krar, kirar)は、エチオピアやエリトリアで使われている弦楽器で、6本または5本の弦をもつリラ(竪琴)。共鳴胴は丸いボウルの形が多いが四角い形のものもあり、布やビーズで飾られることもある。
アズマリと呼ばれる弾き語り歌手はクラルを伴奏に使う。
基本は、ペンタトニックスケール(5音階)に調整されていて、ミュージシャンによってチューニングや演奏方法はそれぞれだという。


The Krar is a five-or-six stringed lyre from Ethiopia and Eritrea.



2021年7月6日火曜日

中東の弦楽器

中東の伝統的な弦楽器 

音響箱に多数の弦を張ってある

カーヌーン Qanun (Kanun) は弦をはじく
カーヌーン Qanun (Kanun) は弦をはじく
カーヌーンは、中東アラブ音楽で伝統的に使われる撥弦楽器(弦をはじいて音を出す)。イランやトルコなどで愛用されている。
西洋音楽には無い、半音よりさらに細かい音程を出すため各弦には音程を微調整するためのペグがついている。



サントゥール Santur は弦をたたく
サントゥール Santur は弦をたたく
サントゥールも中東で使われている打弦楽器(弦を叩いて音を出す)。弦を叩くためのバチはメズラブ(Mezrabs)と呼ばれ、人差し指、中指の間に軽く挟んで持つ。
サントゥールは、現在のイランで生まれ、その名前はペルシア語で百個の弦を意味するという。
打弦楽器は、ヨーロッパ、インド、東アジア、アメリカ大陸にも存在するが、それらの楽器はおそらく、このサントゥールが世界中に伝わったものだと思われる。




2021年5月9日日曜日

ジャワ島西部の弦楽器

 ジュントレン Jentreng

ジュントレン Jentreng
ジュントレンは、インドネシアのジャワ島西部に居住する民族スンダの人々の楽器。共鳴箱に7本の弦を張った弦楽器。

弓奏楽器のタラワンサと共に演奏し、このアンサンブルもタラワンサと呼ぶようだ。
タラワンサ(タラワンサとジュントレンのアンサンブル)
タラワンサとジュントレンのアンサンブル

アンサンブルとしてのタラワンサの楽器はスンダ、特にスメダンのランカカロンを起源としていて、とても神聖な楽器として扱われている。 タラワンサの音楽は、農産物に対する国民の感謝の気持ちを表すものとして演奏される。
ジュントレンのアルペジオに乗せて タラワンサがうねる様なメロディを奏でる。




Web楽器事典
世界の楽器をイラストで見てみよう

2021年4月10日土曜日

インドのハープ

 ヤズ Yazh 

ヤズ yazh , yazhal
ヤズは、古代タミル音楽で使用されるハープ。
本体の形状は、インドの神話に登場する魚や獣など想像状の動物をかたどっているものがある。弦の数もそれぞれの種類によってことなる。





2021年3月2日火曜日

エチオピアの大きな低音ハープ

 ベゲンナ(ベガンナ)

アフリカ・エチオピアの竪琴 ベゲンナ(ベガンナ)

The Ethiopian begenna is a large harp normally used to accompany singing. it is tuned by wooden wedges. 

エチオピアのベゲンナ(ベガンナ)は、通常、歌に伴う竪琴。大きなボディに長い弦が張られていて低い音で演奏される。 チューニングは、木製のくさびによって張り具合を調整する。

In some cases the sound is made to buzz sound either by running the strings close to the skin or by placing a rattling object on the skin under the strings. 

弦を表面の皮に接近させることによってバズ音(びびり音)を出すようにする場合もある。



2021年2月11日木曜日

モンゴルの琴(筝)ヤトガ

 

モンゴルのヤトガ Yatga

モンゴルのヤトガ

中国の古琴や日本の筝と同じ仲間で、東アジアの広域で愛用されている。

ヤトガ (yatga) は、モンゴルで使われている筝の仲間。標準的なヤトガは 21本の弦を持つ。

多くの演奏家は、楽器を膝の上と床に斜めに配置して演奏する。


The yatga (yatug , yatug, 雅托葛) is a traditional long zither of Mongolian.

The body is a long wooden box, one end of which is angled downward. 

The performer plucks the strings with the fingernails of the right hand; the left hand is used to put pressure on the strings, varying the note. 

The left hand can also be used to play the bass strings without plectrums. 





2021年1月27日水曜日

アルタイ・ヤトガ Altai yatga

 アルタイ・ヤトガ(または アルタイ・ヤタガ)は、12世紀ごろまで使われていたという小型のハープ。現在でも復活して演奏されているが、当時の楽器を模倣して作ったもの。

アルタイ山脈あたりの遊牧民が使っていたということでこの名前がついたという。アルタイ山脈からは離れているがモンゴル高原の遊牧民も愛用していた。

アルタイヤトガ Altai yatga (yatuga) /モンゴルの伝統的な古楽器
弓矢の弓から楽器として発展したとされる弦楽器は弓形ハープ(bow harp, arch harp)として総称される場合があるが、アルタイ・ヤトガも弓形ハープの形状をしている。
支柱の先端には山羊の頭が彫刻されており、角もデザインに組み込まれている。
ちなみに、「Yatga」は、琴とかハープなどの弦楽器を指す言葉。


2020年12月10日木曜日

鍵盤を押さえて弦をはじく

 チェンバロ Cembalo

チェンバロ(ハープシコード)
二段鍵盤のチェンバロ

英語圏では ハープシコード Harpsichord という名称が使われているようで、日本でもハープシコードと呼ばれるほうが多いかもしれない。
鍵盤を押し込むと内部に仕込まれたテコになった構造を介してプレクトラム(爪)が弦をはじく。
この構造上、音の大きさを調整しにくい。鍵盤を強く押さえても弱く押さえても似たような音量になってしまう。
ちなみに、ピアノは 弦をハンマーで叩くので「ピアノ(弱)の音も フォルテ(強)の音」も出る。ピアノという名称は(省略されて)ここからきている。

チェンバロは、ピアノが開発されてお余り出番がなくなってしまったが、弦をはじくということから独特な音色が今でも好まれており、ポップスなどの楽曲にも使われている。
色んな音色を出せる電子楽器でもチェンバロ(ハープシコード)の音色が設定できるようになっている。鍵盤の楽器としては、ピアノ、オルガン、チェンバロは定番音色なんだね。




2020年11月9日月曜日

ノルウェイの弦楽器

 ランゲレイク Langeleik 

Langeleik is a Norwegian stringed instrument with one melody string and multiple drone strings.

ランゲレイクは、1つのメロディー弦と複数のドローン弦を備えたノルウェイの弦楽器。

ノルウェイの弦楽器:ランゲレイク Langeleik
ランゲレイクは、世界中で一般に使われている12平均律では無いため半音階を演奏することができない。
そのため、他の楽器に合わせて簡単にピッチ調整することもできない。複雑な音楽を一緒に演奏する能力には制限があるが、伝統的な民族楽器が世界標準に合わせる必要もないだろう。

The combination of the lone melody string and the multiple drone strings gives the langeleik a distinctively rich sound.

シンプルなメロディー弦と複数のドローン弦の組み合わせは、この楽器に独特で豊かな音を与える。
ランゲレイク Langeleik を演奏している人のイラスト
There exists a variety of long box zithers in Northern Europe. 
The scheitholt (Germany) and the  Hummel (Sweden) have been suggested as the predecessor of the langeleik. 
However, in 1980 a langeleik dated as early as 1524 was uncovered on a farm in Norway.
This instrument predates any documented occurrences of the German scheitholt, the Swedish hummel or any other similar instrument.

北ヨーロッパには さまざまなロングボックスのツィター型弦楽器があります。
ランゲレイクの前身は、ドイツのシャイトホルトスウェーデンのヒュンメルだろうと云われてきました。
しかし、1980年には、ノルウェイの農場で1524年のランゲレイクが発見された。この楽器は、シャイトホルト、ヒュンメル、または他の同様の楽器の発生記録よりも以前のものだとわかった。





2020年10月27日火曜日

ヴァージナル virginals

The virginals was popular in Europe during the late Renaissance and early baroque periods.

ヴァージナルは、ルネサンス後期からバロック初期にかけてヨーロッパで使われていた。

ヴァージナル virginals
ヴァージナル virginals

The mechanism of the virginals is identical to the harpsichord(Cembalo),
 in that its strings are plucked by plectrum mounted in jacks. 

ヴァージナルのメカニズムは、鍵盤と連携したジャックに取り付けられたピックによって弦が弾かれる。
これはハープシコード(チェンバロ)と同じ。

ハープシコードは奏者から見て前方に向かって(縦方向)に張られているため大型の楽器だが、ヴァージナルは横方向に貼られている。この方法によって箱型になっている。
箱型で小さいので家庭でも使われ愛用されていた。





ヴァージナル本体内にもう一つ小さなヴァージナルを組み込んだものもあり、 ダブルバージナル double virginal とか 母子バージナル mother and child virginal などと呼ばれている。

2020年9月1日火曜日

クラビネット Clavinet

 

クラビネットを演奏するスティービー・ワンダー

クラビネットを演奏するスティービー・ワンダー

見た目は電子キーボードだが電子楽器ではない。

クラビネットは、弦に金属片を打ち付けて音を出すクラビコードの基本構造を元にピックアップを取り付けてアンプにつなげるようにしたもの。

電子音ではなく、もともとは弦の振動なので「電気楽器」という分類になる。アコースティック・ギターをエレクトリック・ギターに発展させたのと同じ流れだ。

クラビネットは、構造上、短い音の響きになる。つまりスタッカート気味の音になる。このスタッカートが小気味良くリズミカルに演奏することが可能でありお大きな特徴となっている。さらに、アンプに繋がれるので、音量はもちろん音質も変化させることができる。

アメリカの歌手でキーボード奏者のスティービー・ワンダーは、ピアノや数々の電子キーボードを演奏するが、クラビネットも愛奏楽器のひとつである。スタッカート気味の音を活かしたリフは楽曲に高揚感を与える。

Clavinet は ホーナー社 (Hohner Musikinstrumente) の商品名



2020年8月27日木曜日

クラヴィコード Clavichord

 クラヴィコードは 15世紀ごろにはすでに開発されており、18世紀ごろまでに広く使われていたヨーロッパの楽器。

鍵盤の操作で弦を叩いて音を出す。

クラヴィコード clavichord
小さな金属片(タンジェントと呼ばれる)で弦を叩くが、同時に弦の有効長さ(弦が振動する長さ)を決めるというのがクラヴィコードの特徴だ。
音が小さく、演奏会用にはあまり向いていないが、家庭用として普及していたようだ。

クラヴィコードに音量増幅用としてピックアップをつけて電気式キーボードに改良した楽器があり、クラビネット (clavinet)と呼ばれている。


2020年7月15日水曜日

アフリカの弦楽器

ムベト Mvet
ムベトは、ガボン、カメルーン、赤道ギニアなどで使われている弦楽器。stick zither(棒状のツィター)とも呼ばれることがあるようで、特殊な構造をしている。 ツィターのようでもあるけどハープのようでもある。
1.5メートル~2メートルのほどの棒の中程から直角に縦長のブリッジが配置されていて、複数の弦は三角形を描くように立体的に張られている。これはちょうど、斜張橋(しゃちょうきょう)という構造の橋みたいな形をしているね。
2つ~4つの半球の瓢箪を共鳴器として備えており、これは胸の部分で塞いだり開けたりして音質を変えながら演奏することも可能だ。
アフリカの弦楽器:ムベト Mvet

ムベトは、ソロで演奏することも、叙事詩の伴奏としても使われる。
20世紀後半にはカメルーンの音楽ジャンルである ビクツィ音楽(Bikutsi) の中心となる楽器となっている。
新しくは、ドラムセットやベースギターなどのジャズやポップスで使われている楽器と共に幅広い音楽にも参加するようになってきた。


2020年6月22日月曜日

yazh

yazh (யாழ் ) は、古代南インドのタミル語圏で使われていたハープ。
yazh をどう発音するのかは、よくわからない。発音は「yarl」との記述もあるのだけれど....。
古代インドのハープ yazh (யாழ் )
魚の形をしたものや妖獣の形をしたものがあり、いずれもインドの神話に登場するキャラクターだ。


ハープ属の形

ハープ属の形をよくよく見ると、基本的に「L字形」をしていて、演奏する姿勢によって方向が変わっていることがわかる。
右の図は同じイラストをコピーして右へ左へクルクル回したものだ。

箜篌
箜篌は音響ボディを抱えて弾く。弦は音響ボディから下方向に向かって張られる。

サウン・ガウ
例えばサウンガウは、音響ボディが底面にある。保管する場合には安定した形だね。比較的小さなハープにこの形が多い。アフリカのハープにも、この形があったりするね。

サウン・ガウ
サウン・ガウ

西洋のハープ
グランドハープやイタリア、スペインなどでアルパと呼ばれている西洋のハープは音響ボディを抱えて弾くが、箜篌と比べると上下が逆だ。弦は音響ボディから上方向に向かって張られる。逆三角形で重心が高いので倒れなかちょっと不安。

現在のいわゆるハープにはもう一本支柱が存在する。弦を強く張るほうがいい音がでるので、だんだんと強い弦が開発され、その張力に楽器本体が耐えられるようにしたんだろうね。

アルパ
アルパ